私の子育て支援 vol.1(p36)

2015年4月25日

ちょっと変わった子のまま、自分らしく遊べる場所


子どもたちが自由に遊べる空間が広がる「あそび場JOJO」。

子どもにも親にも必要な
安心して自分を出せる場所

 北陸学院大学で月に1回開かれている“あそび場JOJO”は「みんなといっしょ」がしっくりこない子どもたちのための遊び場です。学生を中心とするボ
ランティア・スタッフと子どもたちが遊んでいる3時間、親たちは別の部屋で悩みを出し合い、情報交換します。
 3年前にこの遊び場を始めたのが大井佳子先生で、“JOJO”には「徐々に、ゆっくりと自分のペースで自分らしく育っていけばいい、育っていかないといけない」という願いが込められています。
 それまで発達障がいに関わる仕事をしていた大井先生は、木の花幼稚園の園長にと誘われたとき、「子どもの普通の生活を見られる!生活と切り離しては子どもも障がいも理解できない」と考えて引き受けることにしました。
 「『普通』か『障がい』か、それは色の濃淡のようなもの。『小さいときは大変だったけど目立たなくなってもう安心』と思われることが怖い。自分を出さない方がいいと思ってしまったのかもしれない。周りに合わせて自分を消
して行動するようになる子が心配なのです。『普通』の子はみんなと同じことをするのが楽しいのだけれど、そうは感じない子、楽しさのポイントが異なる子がいるんです」。

子どもに自己発揮の機会を
子の感性を肯定できる親に

 保育・教育を目指す学生たちには、ちょっと感性の「変わっている」子どもと触れ合う機会が必要だとJOJOの活動が始まりました。
 「集団からはみ出すタイプの子たちが、自分らしく他者と出会う場を作りたい。友達は大人でも子どもでも構わない。障がいを持っていたとしても、サービスをされたり、守られたりする対象ではなく、自分を発揮する存在であってほしい。子どもが自分を発揮するのは“あそび”によって。だから“あそび場”なのです。
 保護者には、その子の感性を『それでいいんだ』と思ってほしい。ただ、自分一人だと世間や学校といった圧力に流されてしまう。また、ネット検索でマニュアルを入手して、親が一番の
圧力になったりもする。だから、ユニークな子どもの行動を共に笑い合えて、これでいいんだと感じさせてくれる場所が必要で、そんな場所を親たち自身で作っていくことが大事です。
 ボランティア・スタッフにとっては、子どもにとって遊びとは何かを身体でつかむ場所。子どもの遊びを邪魔していないか、発想や創造性を壊していないか振り返ってほしい」。
 JOJOで、親やスタッフが自己発揮する子どもの姿を知り、その人たちが子どもと関わる姿を通して、誤解されがちな子どもたちへの理解が広がっていくことが大井先生の“夢”です。

あそび場 JOJO

興味のありようも遊び方も個性的な子どもたちのための遊び場。北陸学院大学や幼稚園で月に1回開かれている。
●問い合わせ●
jojo@hokurikugakuin.ac.jp
(大井先生)

大井 佳子教授

北陸学院大学 人間総合学部 幼児児童教育学科

大井 佳子教授

京都大学教育学部博士後期課程修了。専門は発達心理学。学校法人木の花幼稚園園長、金城大学社会福祉学部こども専攻教授を経て2011年より現職。言語聴覚士。アスペの会石川・金沢エルデの会アドバイザー。金沢市教育プラザ富樫巡回専門相談員。