私の子育て支援 vol.3(p30)

2015年8月25日

保育士だったからこそできる支援を続けたい


季節の行事やクッキング、発達に応じた遊びまで幅広い活動を行っているケアハウス小丸山。

保育士20年、子育て支援16年
本当の子育て支援って何?

 原さんは、1999年6月に開所した「チャイルドケアハウス小丸山」に立ち上げから関わっています。それまでは保育士として20年、能登地区の保育園で子どもたちを見てきました。「支援者になるとき、保育士としてのキャリアが役に立った」と話す一方で、「本当の子育ての大変さを理解していなかった」とも言います。一つ一つの行動・発達など子どもの育ち、生活習慣については知識も経験も豊富で「子どもは30人いたら30様の育ちがある」ことも分かるから、心に余裕を持って、それらの悩みに応じられました。しかしその半面、集団生活の中で子どもの育ちを中心に考える園の考え方に対して、一人の子と毎日24時間向き合い、「ほとんど一人で命を預かる」重責を抱えた母親の悩みは理解していなかったことに気付いたそうです。「ちゃんとご飯を食べさせて」「ミルクを飲ませて」…「保育士から当たり前のこと(ができていないこと)を言われるのが辛い」。そうママに吐露されたこともありました。

時間ではなくて一瞬一瞬が大切
「子育て」を受け入れる場所に

 いつもにこやかなママが、心の奥に深い苦しみを抱えていることも。原さんは、ここへ来る0歳~2歳児のママたちから「本当の子育ての大変さを教えてもらった」と言います。2人の子を育て上げた経験から、自信を持っていえることがあります。それは「子どもへの愛情は時間ではなくて一瞬一瞬。例えば、子どもが転んだ時にぎゅってして、『痛かったね』と抱きしめてあげること。どれだけ長い時間一緒にいるよりも、その一瞬一瞬を子どもと向き合えることの方が大切」。
 子どもの身体的な発達の悩みには、何より同じ経験をしてきたママ友からのアドバイスが「特効薬」になるそう。「子どもの発達の悩みは、成長するにつれて大丈夫になるはずと頭では分かっていても、心では理解できないもの。だから同じママ友の工夫していることや考えが支えになります」。
「今の悩みに寄り添うだけでなく、夢を見せてあげることも支援。この施設は小学生も利用するので、数年先の姿を期待を持ってイメージしやすい。ママが自分を肯定的に捉えて『このままでいいんや』と思える場にしていきたい」。
 知的な遊びも専任の保育士スタッフが年間プログラムを組んで行っています。「子どもは確実に成長していき、一人遊びから、仲間と関わり合う次の環境を求めていきます」。子どもたちの成長に目を細めながら、一人一人のママと向き合う日々です。

チャイルドケアハウス小丸山

七尾市小丸山台1丁目82-83-84。手遊びや「ムーブメント」、育児相談など保育士による活動のほか、各種、ママたちによる子育てサークル、地域活動、外部講師による活動と多彩。一時預かりや保育園への行事参加なども。●問い合わせ●0767-52-3710

原 範子さん

原 範子さん

七尾市のやまと保育園をはじめ、あいじ保育園、西湊保育園、よつば保育園、志賀町乳児園で計20年の保育士生活を経て、現在はチャイルドケアハウス小丸山のセンター長。一男一女はすでに成人している。